アニメ「葬送のフリーレン」長命のフリーレンに種崎「いろんな日があっていいじゃない」

左から、上田燿司、東地宏樹、岡本信彦、種崎敦美、市ノ瀬加那、小林千晃。

山田鐘人アベツカサ原作によるTVアニメ「葬送のフリーレン」の完成披露イベントが本日9月23日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催。上映前の舞台挨拶には、フリーレン役の種崎敦美、フェルン役の市ノ瀬加那、シュタルク役の小林千晃、ヒンメル役の岡本信彦、ハイター役の東地宏樹、アイゼン役の上田燿司が登壇した。

勇者パーティ、新パーティが揃い踏みとなったこのイベント。種崎が挨拶をすると、会場からもコール&レスポンスのように挨拶が返ってくる。続くキャスト陣も、観客の反応を促すように元気よく挨拶した。映像が一般公開されることへの心境を聞かれた種崎は、緊張している様子を見せつつも劇場という環境で初めて映像を目にできる観客たちを羨む。岡本は同作がTVアニメシリーズ史上初めて「金曜ロードショー」で放映されることについてプレッシャーを感じている様子。しかし映像を観て自身と安心が生まれたとクオリティをアピールした。

フリーレンを思うと“真っ白”が思い浮かぶという種崎。演技については脱力的なイメージのあるフリーレンに合わせて自然体で演じているとを明かす。「温かい子だなと思うんですけど、彼女のことを考えたときに『ああ……』って思うその部分を真ん中に持っている」と語り、そこはぶらさずに「1000年以上生きているんだからいろんな日があっていいじゃない」と思いながら演じていると笑顔を見せた。また、両パーティの収録に参加した感想として、勇者パーティは横に並んでいるような感覚で、新パーティは後ろから支えているような気持ちを持っていると述べた。

演技について質問を投げかけられた勇者パーティの面々。上田はフリーレンの旅が後悔から始まったことに触れ「後悔してしまうだけの『あの時間が貴重だった』という空気感は出したいな」と意識したポイントを述べる。岡本は、勇者パーティの面々が自然体で演技していたことを振り返り、キャラクター同士の自然な会話が上田の意識している空気感につながったことを実感した。また、東地が勇者パーティに穏やかなキャラクターが多いことを話題に挙げると、岡本はムードメーカーとしてハイターが存在することにより雰囲気が明るくなったと言う。無口なアイゼンを演じる上田もうなずきながら、自身のキャラクターの立ち位置については「狙いを定めてボソっと話す」とツッコミ役としての働きをアピールした。

一方新パーティの小林は、シュタルクの師匠であるアイゼンや、アイゼン役の上田を思いながらセリフを口にするという。「勇者パーティの思いを受け継ぎながら旅をしてるっていう感覚はずっとありますね」と勇者パーティに思いを馳せた。それを受け市ノ瀬も、フェルンとハイターについて「関係性が定まってないけれど、ちゃんとそこに愛があるっていう感覚はありますね」と続いた。収録の雰囲気については、種崎と市ノ瀬で挑んだ序盤の現場は2人とも台本に向き合っている時間が長く静かだったと振り返る。そこに小林が加わったことで賑やかになったと、小林を明るいシュタルクと重ねた。

ここでオープニングテーマ「勇者」を手がけるYOASOBI、エンディングテーマ「Anytime Anywhere」を手がけるmiletからのコメント映像が上映された。「勇者」の作詞・作曲・編曲を手がけたAyaseはフリーレンの感情の変化や勇者に対する思いなどをストレートに曲に込めたとこだわりをアピール。ikuraは旅の中で変化するフリーレンに思いを寄せ「感情の記憶をしっかり表現できたらいいなというふうに思っています」とコメントした。miletは「人間の何倍も何倍も長く生きるフリーレンの目から見る世界というのがすごく美しくて、儚くて、引きつけられるものがありました」と作品を絶賛。関われることへの喜びを伝えた。

終盤にはキャスト陣から一言ずつメッセージが送られた。上田は金曜日に放送される「葬送のフリーレン」について「1週間待ちきれないという作品になる力を秘めている」と仕上がりをアピール。同作を人間ドラマと表現した東地は「すごく心に残る作品なので、最初から最後まで見届けていただければすごくファンになっていただける自信があります」と観客の期待を煽った。小林は1つひとつのシーンの儚さを思いながら「この作品は本当にゆっくりと少しずつ心に積もるようなふうに観ていただけたら本当に幸いだと思います」と語りかける。市ノ瀬は「言葉にできないような本当に細かい感情とかがいっぱいちりばめられている」と丁寧に作り上げられたことを伝えた。

岡本はファンタジー作品でありながら現代に生きる人にも刺さる作品だと同作のメッセージ性に触れ「僕の大切なものってなんなんだろうって、もう1回思えるような、生きるとはなんなのかという、そんな壮大なストーリーが込められております」と述べた。最後に種崎は「金曜ロードショー」放送後の2話目以降は放送時間が異なることを知らせる。録画の予約を間違えないように注意を促す種崎に会場からは笑いが起こる中、イベントは幕を閉じた。

TVアニメ「葬送のフリーレン」は、9月29日の「金曜ロードショー」で初回2時間スペシャルがオンエア。以降は日本テレビ系に新設されるアニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT」にて放送される。

TVアニメ「葬送のフリーレン」

放送情報

日本テレビ系「金曜ロードショー」:2023年9月29日(金)21:00~初回2時間スペシャル放送
日本テレビ系「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」:2023年10月6日(金)より毎週金曜日23:00~
BS日テレ:2023年10月6日(金)より毎週金曜日22:30~
AT-X:2023年10月8日(日)より毎週日曜日23:30~ ※リピート放送あり、毎週金曜日5:30~、毎週日曜日8:30~

配信情報

2023年9月29日(金)24:00~初回2時間スペシャル順次配信、以降、毎週金曜日24:00~最新話順次配信

見放題配信

ABEMA(最新話期間限定無料配信)、Prime Video、dアニメストア、ディズニープラス、DMM TV、FOD、Hulu、J:COMオンデマンド、milplus、Netflix、TELASA、auスマートパスプレミアム、U-NEXT、WOWOWメンバーズオンデマンド、アニメ放題、バンダイチャンネル

レンタル配信

Prime Video、Google Play、HAPPY!動画、J:COMオンデマンド、milplus、music.jp、TELASA、
VIDEX、カンテレドーガ、バンダイチャンネル、ビデオマーケット、ムービーフルplus

スタッフ

原作:山田鐘人アベツカサ「葬送のフリーレン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:斎藤圭一郎
シリーズ構成:鈴木智尋
キャラクターデザイン・総作画監督:長澤礼子
コンセプトアート:吉岡誠子
魔物デザイン:原科大樹
アクションディレクター:岩澤亨
デザインワークス:簑島綾香、山崎絵美 とだま。、長坂慶太、亀澤蘭、松村佳子、高瀬丸
美術監督:高木佐和子
美術設定:杉山晋史
色彩設計:大野春恵
3DCGディレクター:廣住茂徳
撮影監督:伏原あかね
編集:木村佳史子
音響監督:はたしょう二
音楽:Evan Call
アニメーション制作:マッドハウス

キャスト

フリーレン:種崎敦美
フェルン:市ノ瀬加那
シュタルク:小林千晃
ヒンメル:岡本信彦
ハイター:東地宏樹
アイゼン:上田燿司
クヴァール:安元洋貴
フランメ:田中敦子

※種崎敦美、山崎絵美の崎は立つ崎が正式表記。

(c)山田鐘人アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会